「こだわって作った自慢の商品。Webサイトもおしゃれにした。でも、なぜかカートはいつも空っぽ…」
「Instagramで『いいね』は付くのに、一向に商品は売れない…」
もし、あなたがこんな悩みを抱えているとしたら。その原因は、商品の味やパッケージデザインではなく、もっと根深い場所にあるのかもしれません。
実は、多くの作り手さんが時間と情熱をかけて考えた「お客様像(ペルソナ)」が、売上に貢献しないどころか、むしろ想いが伝わるのを邪魔する“絵に描いた餅”になっているのです。
「ウチはちゃんとお客様のことを考えている!」
そう思った、誠実な作り手さんであるほど、これからお話しする3つの「致命的な勘違い」に、思わずハッとしてしまうはずです。あなたのこだわりが、なぜお客様の「買いたい」に繋がらないのか。その本当の理由を、一緒に見つけにいきませんか?
「どうして、この美味しさが伝わらないんだろう…」
少しだけ、想像してみてください。
あなたは、夜明け前から厨房に立ち、厳選した最高の素材と向き合います。手間ひまを惜しまず、レシピに改良を重ね、ようやく納得のいく商品が完成しました。
次に、その商品の魅力が伝わるように、プロに頼んで美しい商品写真を撮影し、おしゃれなオンラインストアを立ち上げました。お客様像も、チームでしっかり話し合って決めたはずです。
「ターゲットは、食への意識が高く、本物の価値がわかる30代の女性…」
これで準備は万端。あとは注文が来るのを待つだけ。
しかし、現実は非情です。サイトへのアクセスは少しあっても、購入ボタンが押される気配はない。
まるで、心を込めて作った料理を、誰もいない食卓に並べているような、虚しさと焦り…。
「あれだけこだわったのに、何が間違っていたんだろう?」
その答えは、お客様を想う「最初のボタン」の掛け違いにあります。多くの真面目な作り手さんが、知らず知らずのうちに陥ってしまう「絵に描いた餅ペルソナ」の罠。その正体を、今から暴いていきましょう。
なぜ、あなたのペルソナは機能しないのか?3つの致命的な勘違い
愛情を込めて考えたはずのお客様像が、なぜ魂のない「絵に描いた餅」になってしまうのか?その原因は、大きく分けて3つの勘違いに集約されます。
勘違い1:お客様ではなく「都合の良い理想の食べ手」を想像している
失敗するペルソナに共通する最大の問題点。それは、実際のお客様ではなく、作り手側の「こうであってほしい」という願望の産物であることです。
- 「食への意識が高く、私たちのこだわりを言わなくても分かってくれるはず」
- 「価格は気にせず、本当に良いものを選んでくれるに違いない」
これらは作り手としての美しい理想ですが、何のデータにも裏付けられていない「想像」の域を出ていません。
勘違い2:「属性」の罠に囚われ、「感情」を見ていない
「30代、女性、都内在住、オーガニック好き」
こうした属性データだけで人物像を定義しようとすることも、典型的な失敗パターンです。本当に重要なのは、商品をカートに入れる瞬間の「心の動き」です。彼女は、どんな気持ちを解決したくて、あるいはどんな気持ちになりたくて、あなたの商品に手を伸ばすのでしょうか?
同じ「30代、女性」でも、動機は全く異なります。
- 動機A: 「子供には、安心できるものを食べさせたい」という切実な願いを抱えるお母さん
- 動機B: 「仕事で疲れた週末、少しだけ贅沢して自分を癒したい」というご褒美を求める働く女性
- 動機C: 「大切な友人へのプレゼント、センスが良いと思われたい」という見栄と優しさを持つ女性
お母さんの「安心したい」気持ちと、働く女性の「癒されたい」気持ち。届けるべきメッセージが全く違うことは、火を見るより明らかです。
勘違い3:「作るだけ」で満足し、活用方法を知らない
そして最ももったいないのが、このケースです。時間をかけてペルソナシートを作り上げた瞬間に、満足してしまい、日々の活動に活かされていない。ペルソナは、日々の発信のすべてをチェックするための「味見役」であるべきものです。
この「問いかけの欠如」こそが、多くのD2Cサイトが陥る「コンセプト設計」の不在に直結します。つまり、ビジネスの「根っこ」が定まらないまま、写真の撮り方や広告の出し方といった「枝葉」の作業にばかり囚われてしまうのです 。
▶︎ ここで一度、手を止めてみてください。
今お話しした3つの勘違い、ドキッとした点はありませんでしたか?
実は、これらはすべて、かつての私が実際にハマり、数百万の自己投資と時間を無駄にした壮絶な失敗そのものなのです 。
「良いモノさえ作れば自然と売れる」と信じ 、テンプレート通りの綺麗なLPを作っては、全く売れない日々 。その血の滲むような経験から、私がたった一つ掴み取った真実。それが、この記事のテーマでもある
ビジネスの「根っこ」となる『コンセプト』の重要性でした 。
なぜ、多くの真面目な作り手の「想い」がお客様に届かないのか?
ブログでは語りきれなかった私の生々しい失敗談のすべてと、あなたのビジネスの「根っこ」を発見するための具体的なプロセスを解説した【無料の動画セミナー】をご用意しました 。
もし、あなたが今、過去の私と同じように出口の見えないトンネルの中にいると感じているなら、きっと大きなヒントが見つかるはずです。
魂を吹き込む!明日から使える「生きたペルソナ」の作り方
では、どうすれば「絵に描いた餅」ではなく、あなたのビジネスを力強く牽引してくれる「生きたペルソナ」を創造できるのでしょうか。その鍵は、「共感」と「具体性」にあります。3つのステップで、誰にでも実践可能です。
ステップ1:「神は細部に宿る」- お客様の“本音”を拾い集める
まず、あなたの「想像」を一旦脇に置いてください。そして、徹底的にリアルなお客様の「事実」を集めることから始めます。リピーター様への質問、マルシェでの立ち話、レビューやSNSのコメントなど、お客様の生の言葉にこそ本音(インサイト)が隠されています 。
ステップ2:「エンパシーマップ」で感情を翻訳する
集めたお客様の「事実」という名の食材を、最高の料理に仕上げるための調理法。それが「エンパシーマップ」です。
これは、お客様という一人の人間になりきって、その人の頭の中や心の中を覗き見るための、シンプルな地図のようなもの。難しく考える必要はありません。一枚の紙に十字を書いて、4つのエリアを作り、お客様が普段どんな世界を見ているのかを想像しながら、キーワードを書き込んでいくだけです。
- ① 見ているもの(See): お客様は普段、どんなSNSを見て、どんな情報に触れている?憧れのライフスタイルは?
- ② 聞いていること(Hear): 友人や家族、メディアからどんな言葉を投げかけられている?「子供にはちゃんとしたものを」といったプレッシャーを感じている?
- ③ 考えていること・感じていること(Think & Feel): 言葉にはしないけど、心の奥で本当に望んでいることは?「本当はもっと楽したい…」といった本音や、「ちゃんとしなきゃ」という焦りなど。
- ④ 言っていること・やっていること(Say & Do): 実際にどんな行動をとっている?「オーガニックって大事だよね」と友人に話したり、週末はマルシェに出かけたり。
この4つの視点からお客様の世界を想像することで、これまで見えなかった「本当に解決したい悩み(痛み)」と「心の底から手に入れたい未来(願望)」が、くっきりと浮かび上がってきます。
これにより、お客様が抱える表面的な悩みだけでなく、その根源にある誰にも言えない「痛み」まで深く理解することができるのです 。
ステップ3:ペルソナに「一日の物語」を与える
最後に、完成したペルソナ像に、具体的なストーリーを与えてみましょう。例えば、「子供の健康を願う忙しいお母さん、ユキさん」の一日を想像してみるのです。
ユキさんの一日: 朝、 子供を保育園に送り出すために大忙し。 昼、 仕事の合間にスマホをチェック。 夜、 疲れ果てて帰宅。「明日の朝ぐらい、少しでも楽したいな…でも、子供にはちゃんと栄養のあるものを…」と感じ、あなたの商品を思い出す。
このように具体的なシーンを描くことで、ペルソナは血の通った一人の人間として立ち上がってきます。
あなたの「こだわり」は、必ず伝わる
最後に、今日の学びを覚えておいてください。
- ペルソナは「想像」で作るな、「お客様の事実」から作れ。
- 見るべきは「属性」ではなく、商品を手に取る瞬間の「感情」。
- ペルソナは「作る」のがゴールではなく、「味見役」として「使う」のがスタート。
「こんなにこだわって作っているのに、なぜ伝わらないんだろう…」
もしあなたが、そんな孤独な悩みを抱えているのなら、それは決してあなたのせいではありません。それはただ、あなたの素晴らしい「想い」を、お客様の心に届く「物語」へと翻訳するための、正しい「戦略」を知らなかっただけなのです。
追伸:あなたのビジネスの「魂」を、売れる言葉へ
この記事でお伝えした「生きたペルソナ」の作り方。これをさらに強力にし、あなただけの「売れる仕組み」の設計図を描くための具体的なフレームワークがあります。
それが、私の失敗と探求の末に確立した『3つの魔法の問いかけ』です 。
- 【顧客】なぜ「たった一人」に絞る必要があるのか
- 【痛み】なぜ「不都合な真実」まで掘り下げる必要があるのか
- 【解放】なぜ「最高の未来」を約束する必要があるのか
この問いに答えていくだけで、あなたのビジネスの魂が、お客様の心を鷲掴みにする「売れる言葉」へと結晶していきます 。
先ほどご紹介した【無料の動画セミナー】では、この『3つの魔法の問いかけ』について、私がクライアント様と実際に行っている対話も交えながら、詳しく解説しています 。
動画でしか語っていない、お客様の「不都合な真実」を掘り下げる具体的な対話術も公開していますので、あなたの素晴らしい「想い」が、それを本当に必要としているお客様に届く、その第一歩として、ぜひご活用ください 。
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