「これだけ良いモノを作ったのだから、必ず売れるはずだ」
もしあなたが、自社の製品やサービスに絶対の自信とこだわりを持つ、誠実な経営者であるほど、この言葉を胸に、血の滲むような努力をされてきたのではないでしょうか。
しかし、現実はどうでしょう。
「綺麗なウェブサイトを作ったのに、問い合わせが一件も来ない…」 「高いお金を払って動画を外注したのに、全く売上に繋がらなかった…」
まるで、静まり返った水面に石を投げるように、何の反応もない日々。心のどこかで「いくら良いモノを作っても、それを伝える『言葉』を、自分は持っていないのかもしれない…」と、見て見ぬふりをしている悩みを抱えていませんか？
その原因、デザインや広告費、あるいはSEO対策といった「枝葉」の問題だと思っていませんか？
実は、ほとんどのケースで、問題はもっと深く、もっと本質的な場所にあります。 今日は、多くの誠実な経営者が無意識に陥ってしまっている、たった一つの「致命的な間違い」について、お話ししたいと思います。
【少しだけ、私の話をさせてください】
何を隠そう、私自身が「良いモノを作れば売れる」という幻想に破れた、張本人だからです 。
元々、製造業の品質管理の現場にいた私は、現場の課題を解決したい一心でプログラミングを学び、Webシステムを開発しました 。それはもう、我ながら惚れ惚れするような出来でした。「これで独立できる！」と信じて疑いませんでした。
しかし、結果は惨敗。 鳴かず飛ばずの日々が続き、私は数百万の自己投資をして、Webマーケティングの世界に飛び込みました 。スクールでは「優秀な生徒」と呼ばれ、テンプレート通りに美しいLPを作るスキルも身につけました 。
それでも、売れない 。
「なぜだ？何が足りないんだ？」
教えられた通りにやっているはずなのに、結果が出ない日々 。血の滲むような思いで原因を探る中で、ある講師が漏らした一言が、私の頭から離れませんでした。「この商品は、深い悩みを解決するからきっと売れますよ」と 。
「深い悩み」とは何なのか…？
この問いが、私のマーケティング人生を根底から変えることになります。そして、この問いの先にこそ、あなたのビジネスが今、直面している問題の「本当の答え」が隠されています。
【動画セミナーのご案内①】 なぜ、スクールで褒められるほどスキルを身につけた私が、それでも全く売れなかったのか？ その“根っこ”が腐っていることに気づかず、数百万ものお金と時間をドブに捨てた、壮絶な失敗談のすべてと 、そこから学んだ「売れる仕組み」の核心について、私の口から直接お話しさせていただいた動画セミナーをご用意しました。
あなたのLPは「製品カタログ」になっていませんか？
成果の出ないLPに共通する、たった一つの致命的な間違い。 それは、自社の製品やサービスの「特徴」や「機能」ばかりを、一方的に語ってしまっていることです。
- 「AI搭載の自動応答システム！」
- 「業界No.1の処理速度を実現！」
- 「熟練の職人が生み出す、こだわりの素材！」
素晴らしいですよね。その情熱、痛いほど分かります。 しかし、残念ながら、顧客はそれを知りたいのではありません。
マーケティングの大家、セオドア・レビットは言いました。 「顧客は1/4インチのドリルが欲しいのではない。1/4インチの穴が欲しいのだ」と。
顧客は、あなたの製品そのものではなく、その製品がもたらす「結果」にお金を払います 。彼らが本当に、心の底から知りたいのは、たった一つ。
「で、それによって、私の未来はどう変わるの？」
この問いに、あなたのLPは明確に答えられていますか？
「最強の営業マン」が語るべきは、顧客の「物語」である
お客を連れてくる「最強の営業マン」として機能するLPは、製品説明の場ではありません。それは、顧客を主人公にした「物語」を語る舞台です。
顧客が今いる場所（Before）から、あなたの製品・サービスによってたどり着ける理想の場所（After）への変化を、ありありと描き出すのです。
■ Before：顧客の「痛み」に、誰よりも寄り添う
まず語るべきは、顧客が抱える「不都合な真実」。夜も眠れないほどの悩みや、密かに抱えているコンプレックスです。
- 問題の提示： 「毎日の問い合わせ対応に追われ、本来やるべき製品開発に集中できない…」
- 感情への共感： 「このままでは、製品の良し悪しではなく、単に『伝える才能』がないという理由だけで、この事業が失敗に終わってしまうのではないか。そんな焦りと恐怖を感じていませんか？」
■ After：顧客の「理想の未来」を、鮮やかに見せる
次に、その痛みから解放された先に待っている、最高の未来を約束します。お客様がお金を払うのは、商品がもたらす『理想の未来』だからです 。
- 解決策の提示： 「あなたが本当に集中すべき『創造的な仕事』に没頭する毎日が、ここから始まります」
- 解放感の提供： 「『伝えること』の悩みから解放され、あなたは最高のモノ作りに、その情熱の全てを注ぎ込むことができるのです」
この「Before→After」の物語こそが、人の心を動かす唯一無二の力を持っています。なぜなら、私たちの脳は、単なるスペックの羅列よりも、感情に訴えかけるストーリーに強く反応し、記憶するようにできているからです。
あなたのLPを「最強の営業マン」に変える5つの魔法の問いかけ
さあ、今すぐご自身のLPを開いて、以下の5つの質問に答えてみてください。 これは、あなたのWebサイトが「沈黙の資産」から「売れる仕組み」へと生まれ変わるための、実践的なチェックリストです。
- 【問いかけ１】トップページを開いて3秒で「これは、私のためのページだ！」と思えますか？
- ダメな例: 「高性能CRMツール、新登場！」
- 良い例: 「『顧客管理が煩雑で、本来の営業活動に集中できない』とお悩みの、従業員30名以下の経営者様へ」
- 【問いかけ２】その「専門用語」、顧客の「嬉しい未来」に翻訳できていますか？
- ダメな例: 「AI自動要約機能を搭載」
- 良い例: 「1時間の会議内容が、あなたがコーヒーを淹れている間に、たった1分で読めるレポートに変わります」
- 【問いかけ３】LPの主語は「私たち」ですか？それとも「あなた」ですか？
- ダメな例: 「私たちは、最高の技術で〇〇を開発しました」
- 良い例: 「あなたはこの技術で、〇〇という日々の悩みから解放され、自由な時間を手に入れられます」
- 【問いかけ４】お客様の声は「良かった！」で終わっていませんか？
- ダメな例: 「とても使いやすくて、良い製品でした！」
- 良い例: 「導入前は毎月30時間かかっていた事務作業が、今ではほぼゼロに。おかげで新しい商品の企画に集中できています」
- 【問いかけ５】顧客の「コンプレックス」から、目をそらしていませんか？
- 「自分にはマーケティングの才能がないのかもしれない…」という顧客の密かな恐れに寄り添い、「大丈夫です。あなたの『想い』を届けるのは才能ではありません。『戦略』です」と、希望の光を示せていますか？
【まとめ】
今日の話をまとめます。
成果の出ないLPの致命的な間違いは、技術や想いの「説明」に終始し、顧客の未来を変える「翻訳」ができていないこと。
あなたの熱い「想い」や「こだわり」は、それ自体が価値なのではありません。その想いが、顧客の抱える問題を解決し、理想の未来を実現する力に変わって初めて、「価値」として認識されます 。
マーケティングとは、センスのある人間だけが使える魔法ではありません。 お客様の痛みに真摯に寄り添い、自社の価値を深く掘り下げ、そして、それを誠実な「物語」として伝える、極めて論理的で、誰にでも実践可能な「戦略」なのです。
この記事が、マーケティングへの苦手意識という「呪縛」からあなたを解放し、「自分にもできるかもしれない」という、未来への大きな希望の光となることを、心から願っています。
【動画セミナーのご案内②】
あなたのビジネスに眠る「売れる物語」を発見しませんか？
今日お話しした「顧客の物語」を描くための、より具体的なステップを、動画で詳しく解説しています。
私がクライアントのビジネスの魂を引き出し、「売れる言葉」へと結晶させてきた『3つの魔法の問いかけ』 。この具体的なプロセスを、実際の対話例を交えながら、あなたにも実践できるよう分かりやすくお伝えします 。
ただ「伝え方」を知らないだけで、素晴らしい「想い」と「技術」が消えていく現実を、私はもう見たくありません 。
あなたのビジネスがそんな結末を迎えるべきではないのです 。
コメント