「これだけ良いモノを作ったんだ。必ず売れるはずだ」
かつての私は、本気でそう信じていました。製造業の現場で品質管理に没頭し、独学でシステムまで作り上げた。その自信と情熱だけを武器に独立したのです。…しかし、現実は甘くありませんでした。
鳴らない電話。一向に増えない問い合わせ。
「綺麗なウェブサイトを作ったのに、成果が出ない…」 「高いお金を払ってLPを作ったのに、問い合わせが一件も来ない…」
もし、あなたが今、パソコンの前で同じように歯を食いしばっているのなら。その悔しさ、もどかしさ、そして孤独感を、私は痛いほど理解できます。
その原因、もしかしたら「熱意の空回り」にあるのかもしれません。あなたのその素晴らしい製品への「想い」が、知らず知らずのうちに、一方的な「売り込み」になってしまってはいませんか?
今回は、そんな状況を180度変える、ある「考え方」についてお話ししたいと思います。
💌 お客様から「会いたい」を引き出す、たった一つの考え方
少し想像してみてください。
もし、あなたが送るメールが、その他大勢の迷惑メールに埋もれるのではなく、相手の受信箱で心待ちにされる「一通の手紙」になったとしたら…?
売り込みの言葉を一つも使っていないのに、メールを読み終えたお客様の方から、「あなたの話をもっと聞きたいです」と返信が来るとしたら…?
そんな夢のような話、あるわけないと思いますか? いいえ、あるんです。
その秘密は、ステップメールを単なる「営業ツール」ではなく、「ラブレター」として捉え直すこと。ただ、それだけなのです。
なぜ、今までのメールは「ゴミ箱行き」だったのか?
考えてみれば当然です。私たちは誰だって、いきなり「買ってください!」とこられるのは好きじゃありません。それは、どれだけ素晴らしい製品だったとしても同じです。
従来の営業メールと、「ラブレター」としてのステップメールには、決定的な違いがあります。
従来の営業メール(追いかけ営業) | ラブレターとしてのステップメール | |
目的 | 売り込むこと | 信頼関係を築くこと |
主語 | 私(自社の製品は…) | あなた(あなたは〇〇で…) |
内容 | 機能、スペック、価格 | 共感、物語、未来のビジョン |
結末 | 購入の催促 | 次の対話への招待 |
多くの経営者が陥ってしまう罠。それは、自社の製品やサービスへの「想い」が強いあまりに、主語が「私」になってしまうこと。熱意を持って語れば語るほど、相手は引いてしまうのです。
ラブレターの主役は、書いている自分ではなく、受け取る「相手」ですよね。相手が何に悩み、何を望んでいるのか。そこに深く寄り添うことから、すべてのコミュニケーションは始まります。これこそが、私たちが語るマーケティングの「根っこ」の部分なのです。
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とはいえ、「お客様の本当の悩みに寄り添うと言っても、具体的にどうすればいいんだ?」と思われたかもしれません。
実は、その「お客様自身ですら言葉にできていない心の叫び(インサイト)」を発見するための、具体的なプロセスが存在します。私が数百万の自己投資と、「良いモノを作っても売れない」という壮絶な失敗を経てようやくたどり着いた、ビジネスの「根っこ」を掘り起こす方法です。
もしご興味があれば、こちらの動画セミナーで私の口から直接、そのすべてをお話ししています。
【動画で詳しく解説】顧客の「痛み」を「売れる言葉」に変える“3つの魔法の問いかけ”とは?
人の心を動かす「7日間のラブレター・シナリオ」
さて、話を戻しましょう。 相手の心を深く理解した上で、次に行うのが、関係性を丁寧に育むためのシナリオ設計です。
私たちは、神話の法則である「英雄の物語」を応用した、7日間のシナリオをおすすめしています。
ここでの主人公は、あなたではありません。見込み客、その人自身です。そして、あなたは物語を導く「メンター(導き手)」の役割を担います。
- 第1通:運命の出会いと自己紹介
- ラブレターの書き出しです。「はじめまして、〇〇です。あなたの△△なところに惹かれました」と伝えるように、まずは登録への感謝と、相手への理解を示します。「きっと、〇〇という課題をお持ちで、この情報に辿り着いてくださったのですね」と。そして、なぜあなたがこの事業を始めたのか、その「想い」や原体験を正直に語りましょう。
- 第2通〜第3通:深い共感と「あなたの物語」の始まり
- 相手の痛みに寄り添う手紙です。見込み客が密かに抱えている「不都合な真実」…例えば、「自分にはマーケティングの『才能』が、根本的に欠けているのではないか…」といったコンプレックスに、そっと触れます。「その気持ち、痛いほど分かります。かつての私もそうでしたから」と。あなたは一人じゃない、と伝えるのです。
- 第4通〜第5通:新たな世界の提示とメンターの役割
- 「一緒にこんな未来に行きませんか?」という約束です。「もし、あなたが本来やるべき、最高の製品作りに集中できるようになったら?」と、課題が解決された理想の未来を具体的に見せます。そして、その未来へ導く「戦略的パートナー」として、あなたが寄り添えることを示唆します。
- 第6通:試練を乗り越えた「先輩」の物語
- 「この恋が叶った先輩がいます」という勇気づけです。あなたのお客様が、どのようにして課題を乗り越えたのか、その成功事例を「物語」として紹介します。「自分もこうなれるかもしれない」という希望の光を見せる、最もパワフルな一通です。
- 第7通:デートのお誘い(次のステップへの招待)
- 「一度、お会いできませんか?」という、誠実な一文です。ここまで丁寧に関係を育んできたからこそ、初めて「もしよろしければ、一度オンラインでお話を聞かせていただけませんか?」という提案が心に響きます。決して「売り込み」ではなく、「相談会」や「壁打ち」といった、相手にメリットのある形で招待しましょう。
なぜ、この方法は「職人肌の経営者」にこそ機能するのか?
この「ラブレター戦略」が、なぜこれほどまでに人の心を動かすのか。
それは、「返報性の原理」という心理が働くからです。人は、相手から価値あるもの(共感、有益な情報、誠実さ)を受け取ると、「何かお返しをしなければ」と無意識に感じます。
特に、あなたが自身の失敗談や弱みを正直に語る(自己開示する)ことで、相手はより強くあなたを「信頼できるパートナー」だと認識します。
「今は製品開発が忙しいから、マーケティングは後回しでいいんだ…」
そんな「自分への優しい嘘」で、本当は「何から手をつけていいか分からず、怖いだけかもしれない」という本心に蓋をしている経営者にとって、あなたの誠実な「ラブレター」は、心を解き放つ唯一の鍵となるのです。
これは、小手先のテクニックではありません。あなたのビジネスの「根っこ」にある「想いを翻訳する」という、極めて本質的な戦略なのです。
覚えておくべき、たった一つのこと
もし、あなたが今日、この記事から何か一つだけ持ち帰るとしたら、これを覚えておいてください。
マーケティングとは、口説き落とす「テクニック」ではない。相手を深く想い、信頼を育む「コミュニケーション」である。
あなたのその熱い「想い」は、決して無駄ではありません。 あとは、それをラブレターのように、誠実な「言葉」と「順番」で、届けるだけです。
追伸:
今回お話しした「ラブレター戦略」。 この手紙を、本当に届けるべき『たった一人の相手』に届け、その心を鷲掴みにするためには、その土台となる、あなたのビジネスの「魂」を言語化しておく必要があります。
ブログでは語りきれなかった、その核心である『コンセプト設計』について、私の生々しい失敗談のすべてと、そこから生まれた具体的な解決策を語った動画セミナーをご用意しました。
「綺麗なだけのサイト投資」を完全に終わらせ、あなたの「想い」を「売れる仕組み」に翻訳したい。そう本気で願う、決断力のある経営者の方だけ、ご覧ください。
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